2022年07月27日

法人税の確定申告

税効果会計

Ⅰ税効果会計とは?

・企業会計と税務会計では、計算目的の違いから期間的なズレが生じる為、生じたズレを修正して税金費用を適切に期間配分する処理。

Ⅱ適用会社はどんな会社?

・強制適用となるのは上場企業。
会社法上の大企業も適用会社となる。中小企業でも親会社が税効果会計を適用している場合は適用することが望ましい。

Ⅲ税効果会計を適用する目的は?

・税効果会計を適用せず、税務と会計に大きなズレが生じると、当期純利益が大幅に乱れたりしてしまい、損益計算書が正しく企業の業績を反映できなくなってしまう。株主や投資家等は決算書で会社の業績を判断するのに、損益計算書が正しい業績を表していないと投資家等が判断を誤まってしまう。税務と会計でズレが生じている事は、申告書で確認できるが、申告書を閲覧する事ができない外部の関係者は税務と会計でズレが生じている事を知る事ができず、正確な会社の経営状況を把握する事が出来ないので、税効果会計を利用して税務と会計のズレを損益計算書に反映させる為。

Ⅳ企業会計・税務会計の違いとは?

・企業会計と税務会計では目的が異なるので、
企業会計の利益=税務会計での利益にはならない。

⇒企業会計の目的:投資家や株主が会社の業績把握・経営判断の為。
⇒税務会計:会社の業績【税引前利益】に基づいて公平な課税の為。

・企業会計の利益⇒税引前利益は【収益-費用】で計算。
・税務会計の利益⇒税引前利益から、【税務上の利益-税務上の費用】で計算。

※企業会計上では費用となっても、税務上では費用として認められないものや費用と認められても費用と認められる時期が会計上と税務上で異なる事もある為、損益計算書の【法人税、住民税及び事業税の金額が必ずしも税引前利益に対応する税金費用となるわけではない。

図1をご参照ください。
※法定実効税率は30%として計算されています。

                 

 ◆図1

図1だと、法人税等は税務会計の課税所得で計算している為、利益に対しての税金費用負担が大きくなってしまっているので、【法人税等調整額】という企業会計と税務のズレを調整する科目を使用して、
企業会計の考え方に合わせて修正をします。

◆図2

法人税等調整額を使った事で、税引前利益に対する税金費用が対応する事となる。

今回調整した税務上加算した項目部分が、翌期に解消されたら、
企業会計と税務会計のズレがなくなるので、調整分を翌期で取り崩す処理をする。

企業会計と税務会計では、《そのうち解消されるズレ》と《解消されないズレ》とが
あり、税効果会計を適用できるのは《そのうち解消されるズレ》のみとなる。

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