2022年07月27日

法人税の確定申告

青色申告とは

Ⅰ 青色申告とは

青色申告とは、一定の要件を満たすことにより、青色申告書を用いて申告する手続きです。もともとが青色の申告用紙を使用して申告していたために、「青色申告」という名称になっています。現在では、個人の方が確定申告で使用する申告書は青い色をしていませんが、法人が紙の申告書を用いて税務署へ提出する際の表紙は青い色をしています。この青色申告をする場合は、事前の届出が必要となります。この手続きを「青色申告書の承認の申請」と言います。「青色申告」での申告をしたい事業年度に間に合うようにするためには、この手続きを法定の期限内にする必要があります。提出期限は、「青色申告によって申告書を提出しようとする事業年度開始の日の前日まで」です。つまり、提出したその事業年度では、青色申告ができないということです。提出先は、納税地を管轄する各税務署になります。また、その法人が新設法人である場合、「設立の日以後3月を経過した日と当該事業年度終了の日のうちいずれか早い日の前日まで」です。つまり、3か月以内に届出を提出するか、新設1期目の事業年度が3か月より短い場合はその終了する日の前日までの提出となります。

青色申告を選択した法人は、「青色申告法人」と呼ばれます。青色申告を選択すると、様々な特典が設けられていますので、青色申告書の承認の申請は忘れずに提出しておきたい書類のひとつです。

Ⅱ 青色申告の要件

青色申告書で申告を行うための要件は、大きく2点あります。

1.法定の帳簿書類を備え付けて取引を記録し、かつ保存すること
2.青色申告の承認の申請を税務署に提出し、あらかじめ承認を受けること

1.の具体的要件は以下の通りです。

(1)資産、負債及び資本に影響を及ぼす一切の取引を複式簿記の原則に従って、整然と、かつ、明瞭に記録し、その記録に基づいて決算を行うこと
(2)仕訳帳、総勘定元帳その他必要な帳簿を揃え、取引に関する事項を記載すること
(3)仕訳帳には、取引の発生順に、取引年月日、内容、勘定科目及び金額を記載し、総勘定元帳には、その勘定ごとに記載の年月日、相手方勘定科目及び金額を記載すること
(4)棚卸表を作成すること
(5)一定の科目をもって貸借対照表及び損益計算書を作成すること
(6)帳簿書類を7年間整理保存すること

つまり、複式簿記によって帳簿を作成し、その会計の根拠となった書類も明瞭かつ整然と管理して保存しておく必要があるということです。

Ⅲ 青色申告の承認の取り消し

せっかく承認された青色申告が、取り消される場合があります。しかも、取消に該当する事実があった事業年度にさかのぼって取り消されるので、たとえその間に青色申告書で申告していたとしても、青色申告書での提出ではなかったとみなされて、その申告書で受けていた各種の特典は適用されないことになります。受けていた特典が取消される(例えば、青色申告で認められている資産購入金額全額の一括費用化等)ということは、納税額が増えるという結果になる場合も考えられます。取消理由は以下のいずれかひとつに該当する事実があるときに行われます。

1.帳簿書類の備付け、記録又は保存が法令で定めるところに従って行われていない場合

2.帳簿書類について税務署長が行った必要な指示に従っていない場合

3.帳簿書類に取引の全部又は一部を隠蔽し又は仮装して記載等し、その他記載事項等の全体について真実性を疑うに足りる相当の理由がある場合

4.確定申告書を法定期限までに提出しなかった場合

5.1~4と同様の事実により連結納税も承認が取り消された場合

青色申告の承認の申請は、取り消された後に再度提出できますが、1年間は再申請ができません。再度承認されるまで影響が及びますので、ご注意ください。

青色申告を継続するためには、法定通りに書類を整えて保存し、法定期限内に申告することが肝要です。

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