2022年07月27日

法人税の確定申告

青色欠損金とは

Ⅰ 青色欠損金とは

青色欠損金とは、簡単に言ってしまえば、決算時に生じた赤字のことです。税法上この赤字を「欠損金」といい、その赤字を青色欠損金として翌期以降に繰越すことができます。つまり、その事業年度に発生した欠損金(赤字)を翌期以降に繰越して、翌期の決算時に利益(黒字)が出た場合は、前期以前の欠損金と相殺できるのです。翌期も欠損金が出た場合には、前期以前分に加えて繰越せます。繰越された欠損金は、利益が発生した際に、期日の古いものから相殺されていきます。欠損金を利益と相殺できるということは、その年に収める法人税を少なくできるということです。欠損金の繰越額によっては、利益全額が相殺されて「0」円となる場合もあります。これは前述の青色申告法人が受けることができる特典のひとつで、その最たるものとしてよく挙げられています。

ただ延々と繰越が可能かと言えばそうではなく、繰越可能な年数は法律により決まっています。

◆5年

平成13年4月1日前に「開始」した各事業年度

◆7年

平成13年4月1日以後に「開始」した各事業年度から平成20年4月1日前に「終了」した各事業年度

◆9年

平成20年4月1日以後に「終了」した各事業年度から平成30年4月1日前に「開始」した各事業年度

◆10年

平成30年4月1日以後に「開始」する各事業年度

※ それぞれ、開始と終了の時期にご注意ください。

青色申告が取消されても、それ以前の青色申告時の欠損金については利用できます。しかし、青色申告を取消されている間に欠損金が出ても繰越せませんし、欠損金の繰越以外の特典についても受けることはできません。

欠損金を利益と相殺できると言いましたが、発生した利益の「全額」が欠損金と相殺できるのは、資本金が1億円以下のいわゆる中小法人が対象です。資本金が1億円を超える会社と、資本金が5億円を超える大会社の完全子会社である会社は、その期に出た利益の全額を青色欠損金と相殺することはできません。相殺することができる上限金額が、以下のように法律によって定められています。

平成24年4月1日から平成27年3月31日開始事業年度:80%
平成27年4月1日から平成28年3月31日開始事業年度:65%
平成28年4月1日から平成29年3月31日開始事業年度:60%
平成29年4月1日から平成30年3月31日開始事業年度:55%
平成30年4月1日から開始事業年度:50%

「繰越欠損金があるから、利益が出ても税金はかからない」と思わず、利益と相殺できる欠損金の金額に上限がある場合もあることにお気を付けください。

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