人事採用給与計算
労働条件の明示事項
Ⅰはじめに 2024年4月1日より法改正に伴い労働条件の明示事...
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2023年09月19日
給与計算
今年度の都道府県ごとの最低賃金が決定され、全国平均額は1,004円となり初めて1,000円を超えました。 東京都については2023年10月1日から1,113円に改定されます。 2022年の1,072円から41円増となり、昨年に引き続き過去最大の引き上げとなりました。
Ⅰ最低賃金制度とは
最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。
最低賃金は、(1)労働者の生計費、(2)類似の労働者の賃金及び(3)通常の事業の賃金支払い能力を考慮して定められることとなっており、 地方最低賃金審議会(公益代表、労働者代表、使用者代表の各同数の委員で構成)での審議を経て、都道府県労働局長により決定されます。
仮に最低賃金額より低い賃金を労働者、使用者双方の合意の上で定めても、それは法律によって無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとされます。 したがって、最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません。
Ⅱ最低賃金の種類
最低賃金には、「地域別最低賃金」と特定の産業について設定された「特定最低賃金」の2種類があります。 両方が適用される場合は高い方が最低賃金として適用されます。なお、東京都では地域別最低賃金の方が上回っています。
また、地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められており、 特定最低賃金額以上の賃金を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています。
Ⅲ最低賃金の対象
正社員や派遣、パートアルバイト、外国人技能実習生を含む全ての労働者が対象となります。
事業所が複数ある場合は、それぞれの所在地の最低賃金が適用されます。 派遣労働者については派遣先の最低賃金が適用されます。
例外として、一般の労働者と労働能力などが異なるため、最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭める可能性がある精神や身体の障害により著しく 労働能力の低い者等については、使用者が都道府県労働局長の許可を受けることを条件として個別に最低賃金の減額の特例が認められています。
Ⅳ最低賃金の対象となる賃金
最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金です。 以下は最低賃金の対象となりませんので、除外して計算する必要があります。
1.臨時に支払われる賃金 結婚手当等
2.一か月を超える期間ごとに支払われる賃金 賞与等
3.時間外割増賃金、休日割増賃金、深夜割増賃金、固定残業代
4.通勤手当、家族手当、精皆勤手当
最低賃金と比較するには賃金を時間当たりの金額に換算します。 月給者の場合:月給÷1か月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額) 詳しくは厚生労働省で公開している計算方法を参照ください。
あなたの賃金を比較チェック|最低賃金制度 (saiteichingin.info)
政府の意向や物価上昇を受けて、ここ数年は最低賃金が上がっています。毎年10月頃改定されるので、従業員の給与が最低賃金を下回らないよう定期的にチェックしましょう。
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