2023年12月21日

会社設立

医療法人とは

個人事業主の方であれば法人化を検討される方も多くいらっしゃると思いますが、
事業内容が「医業」である場合、つまり、ドクターが法人化するときには株式会社を設立するのではなく、「医療法人」を設立することとなります。

Ⅰ医療法人とは

株式会社や合同会社であれば会社法の定めにより法人を設立することになりますが、
医療法人は「医療法」の定めにより、病院・医師が常時勤務する診療所または介護老人保健施設を開設することとなります。
設立には定款または寄附行為を作成し、診療業務に必要な設備・施設を有して各都道府県知事から認可を得なければなりません。
この法律に基づいた定款または寄附行為により、名称・所在地・役員の任期・会議の種類など運営に必要なルールが決められています。

Ⅱ医療法人の目的

医療を提供する体制の確保を図り、国民の健康維持に寄与することが目的です。
私人である個人事業主とは異なり資金の集積がしやすく、医療サービスを高度化しやすくなります。

Ⅲ医療法人の非営利性

医療は積極的な利益を求めるものではないため、医療法人は株式会社に代表される営利法人と区別されます。
たとえば株式会社では剰余金の配当ができますが、医療法人ではできません。

Ⅳ医療法人と個人病院・診療所の違いとは

個人病院や診療所は営利目的の活動が可能です。
財産や収入は個人に帰属するため、当然ですが自由に使うことができます。
それに対して医療法人は個人である医師とは別人格になるため、経営で得た財産はすべて医療法人に帰属します。
収入は医療法人から報酬という形で受け取るので、経営者といえども勝手に銀行口座から引き出したり使ったりできません。

Ⅴ医療法人化のデメリット

1.出資持分のない医療法人しか設立できない
持分のない医療法人が解散するときの残余財産は国や地方自治体に帰属するため、出資割合に応じた返還請求はできません。また、医療法人の権利や財産を自分の子どもなどに相続させられません。
個人事業主とは異なり、私的な財産を請求したり後継者に残したりできない点はデメリットです。

2.運営管理の煩雑化
設立時の届出や定款の変更の許認可、社員総会の開催や法人税申告など、法人化に伴う管理業務が増加します。
医療法人化を躊躇するケースとして、この運営管理の煩雑化をデメリットとする人も多いようです。

3.資金を自由に使えなくなる
医療法人化すると、たとえ経営者であっても資金を自由に使えません。

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