年末調整
年末調整手続きの電子化
今年も年末調整の時期になりました。 まだ紙で従業員から申告書を提出してもらっている事業所が多いのではないでしょうか。 各種申告...
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2022年10月05日
年末調整
Ⅰ 令和4年分 年末調整の変更点
そろそろ、令和4年分の年末調整の準備・スケジュールを考え始めている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
税法は毎年改正があるので、それに伴い書類の所定様式にも都度変更があります。
今回は、令和4年分の年末調整を行うにあたり、経理事務ご担当者様向けの実務上の注意点をご紹介します。
Ⅱ 変更予定の年末調整関係書類について
今回の年末調整関係書類では、令和5年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(以下、マル扶とします)に変更があります。
令和5年分のマル扶は、令和4年分の年末調整と関係ありません。
しかし、マル扶は原則として、その年の最初に給与の支払を受ける日の前日までに会社等に提出することになっているため、
多くの会社等では、その年の年末調整関係書類と併せて、翌年分のマル扶も同時に回収することとなっています。
令和5年分のマル扶では、令和2年度税制改正の内容が反映され、
◆ 国外居住親族に係る扶養控除の見直しに伴う修正
◆ 退職手当等を有する配偶者・扶養親族欄の新設
の2点が変更となっています。
令和4年分の年末調整関係書類は特に大きな変更点がなく、例年通りとなっています。
Ⅲ 国外居住親族に係る扶養控除の見直しに伴う修正
従業員である給与所得者自身は「居住者」であり、日本国内から国外にいる親族(以下「国外居住親族」とします)に生活費の送金等を行って生計を一にしている場合、
その親族を給与所得者の扶養親族とすることで、所得税の扶養控除を受けることができます。
詳細はこちらもご覧ください。
令和2年度税制改正では、この国外居住親族について見直しが行われ、下記のいずれにも該当しない30歳以上~70歳未満の国外居住親族は、扶養親族の範囲から除外されることとなりました。
1.留学により国内に住所及び居所を有しなくなった者
2.障害者
3.扶養控除の適用を受けようとする居住者からその年において、生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている者
1.または3.に該当する親族を扶養親族とする場合は、会社から従業員に一定書類の提出を求めなければいけません。
一定書類についての説明はここでは割愛しますが、詳細を知りたい方は国税庁ホームページをご覧ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/kokugai/index.htm
※「居住者」とは、国内に「住所」を有するか現在まで引き続き1年以上の「居所」を有する個人の方をいい、これらは客観的事実に基づいて判断されます。
所得税法では、上記要件を満たす者以外のことを「非居住者」として取り扱うこととされています。
Ⅳ 退職手当等を有する配偶者・扶養親族欄の新設
令和4年度税制改正により、マル扶にある「住民税に関する事項」欄に、退職手当等を有する配偶者・扶養親族の情報を記載することとなりました。
これは所得税と住民税で、扶養親族となる人の退職所得金額の取扱いが異なっているためです。
給与所得者の扶養親族に入れられるかどうかを判定するときに、所得税では扶養親族に含められない場合でも、住民税では含められる場合があります。
年末調整は給与所得者の確定申告として、重要な役割を担っています。
申告・納税が遅れると、遅れた日数に応じて会社が国に延滞税を支わなければいけなくなります。
期限内に適切な申告・納税が出来るよう、社内の期限管理等、余裕を持っておく必要があります。
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