2022年07月19日

贈与・贈与税

贈与税FAQ

Q1 贈与税には110万円の基礎控除があると聞きましたが、1回の贈与につき、1年間で誰かひとりに対して110万円までなら贈与税がかからないということでしょうか。


  A1 原則として贈与税は「暦年課税」という方式で算出します。これは1月1日から12月31日までの
  1年間の贈与に対して課税をするというものですので、贈与ごとにではありません。

  なお、これは受贈者の場合です。贈与者は複数の受贈者に贈与をすることができるため、
  「年間110万円」に縛られる必要はありません。たとえば、配偶者と子ども1人に贈与をすれば、
  110万円×2人=220万円まで生前贈与を行うことができます。

Q2 相続時精算課税制度を利用しようと考えていますが、この制度を利用した場合は110万円の非課税枠は使えなくなってしまいますか。


  A2 相続時精算課税選択届出書を一度提出すると、撤回できません。相続時精算課税制度は、
  同じ贈与者からの贈与について、暦年贈与との併用が不可となっていますので、この制度を選択した
  時点でそれ以降のその贈与者からの贈与については、暦年贈与は利用できないことになります。

  また、同制度を選択することで、「小規模宅地等の特例」も利用できなくなります。この特例は、
  宅地が相続される際に一定の要件を満たしていれば、その評価額を最大で80%減額して税額が算出
  される規定です。将来、宅地を相続することが想定される場合は、どちらを選択するか、十分検討
  するべきかと思います。

Q3 事業承継税制とは何でしょうか。



  A3 後継者である受贈者・相続人などが、認定を受けている非上場会社の株式等を贈与・相続等
  により取得した場合に、一定の要件を満たせば、贈与税・相続税について納税を猶予・免除される
  制度です。

  非上場の中小企業の中には、経営者一族が株式を保有するいわゆる同族会社が数多くあります。
  こういった企業の場合、現経営者から次期経営者への事業承継の際に、自社株式を移転させていく
  ことになります。

  同族株主の保有する自社株式は、換金が難しい一方、評価額算定の際には類似業種比準方式や
  純資産価額方式といった専門的な評価方法を用いて評価する必要があります。その上、評価額に
  よっては相続・贈与の際に多額の税金を現金で納税する必要があり、事業承継を進める上で大きな
  障害となっています。

  そのため、中小企業の経営者の高齢化が進行する中で、円滑な事業承継を支援しようと
  設けられたのが本税制です。

  2018年度の税制改正により創設された事業承継税制(特例措置)は、10年間限定ではあるものの、
  従来の措置(一般措置)を大幅に拡充したものとなっており、株式贈与時・相続時の税負担なく
  承継することが可能となりました。
  特例措置を受けるためには2023年3月末までに都道府県庁に特例を受けるための書類を提出し、
  2027年12月末までに株式等の承継を行う必要があります。

  適用要件などについては当法人へ是非お問い合わせください。

Q4 親から110万円を超える財産を贈与されましたが、これに関する贈与税は親が肩代わりしても問題ありませんか。


  A4 贈与税の納税義務者は受贈者、つまり贈与を受けた人ですので、肩代わりしてもらった
  贈与税額が親からの贈与となります。
  この金額が110万円を超えていれば、あるいは肩代わりしてもらった年に肩代わりしてもらった
  贈与税額と親から贈与された財産とを合算した金額が110万円を超えていたら、その年の次の年の
  贈与税の申告期限に贈与税の申告・納付を行わなければならなくなります。

Q5 預金から降ろした現金を110万円以上贈与しました。預金口座から預金口座へ振り込んでいないので、税務署にはばれないでしょうか。


  A5 振込や不動産の名義変更と違って、現金の受け渡しについては税務署も発見しにくいことは
  確かです。

  ところが、事実として贈与税の税務調査は毎年行われています。現金贈与を受けた数年後に、何の
  前触れもなく税務調査が行われることもあります。というのも、税務署は課税につながる情報を
  常に収集しており、贈与があったという仮定が立てば税務調査を行っているからです。

  税務署が贈与を把握するきっかけのひとつとして、「お尋ね」と呼ばれる文書があります。
  お尋ねとは、税務署から送られるアンケート用紙のようなもので、回答を記入して期日までに
  税務署に返送する仕組みになっています。

  たとえば住宅を購入し不動産の名義変更があったときは、変更後の名義人のもとへお尋ねが送られて
  くることがあり、このお尋ねの回答項目の中に、「支払金額の調達方法」として、物件の購入費を
  どのように用意したか記載を求められることがあります。自分名義の預貯金から支払ったのか、
  家族名義の預貯金から支払ったのか、ローンを組んだのか、贈与を受けたのか、といった情報を
  記載することになります。

  これらの情報を参考にして、税務署は贈与税の申告が必要なのか、必要であれば適切に申告が
  行われているのかを確認します。そして、贈与税の申告漏れが疑われる場合には、税務調査により
  本人に話を聞くといった対応をすることになります。

Q6 私は、大阪で大学に通っている息子に家賃・生活費・学費などで毎月25万円ほど仕送りをしています。年額にすると300万円程度になるのですが贈与税の課税の対象にはならないでしょうか?また、4年分として約1000万円を一括して送った場合はどうでしょうか?


  A6 親が別に暮らしている子供に、生活費や教育費などを仕送りしている場合には、
  その仕送りしている金額が通常必要と認められるものであれば贈与税の課税の対象とはなりません。

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