相続税の計算
相続税の時価と財産評価
相続人が被相続人から相続や遺贈で受け取った財産には相続税が課税されます。財産は時価に基づいて評価されるということが相続...
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2022年07月19日
相続税の計算
Ⅰ 課税価格の計算方法
相続や遺贈により財産を取得した人の各々の財産の総額を個別に計算します。
相続又遺贈により取得した財産の価額+みなし相続財産(*1)+相続時精算課税にかかる贈与財産の価額(*2)-非課税財産の価額-債務及び葬式費用=純資産価額純資産価額+相続開始前3年以内の贈与財産の価額(*3)=各人の課税価格(千円未満切捨)
*1:みなし相続財産とは、亡くなられたことで相続人のものとなった財産…生命保険金、退職手当金、弔慰金等。
*2:相続時精算課税の適用を受けた贈与財産は相続により取得したものとみなし、贈与時の価額で課税価格に算入されます。
*3:相続開始前3年以内に贈与により財産を取得していた場合、その贈与の価額(贈与を受けたときの価額)は相続税の課税対象となります。
Ⅱ 相続税の総額の計算方法<相続人全員の負担税額を計算>
相続税の総額は次の手順で計算します。
【1】上記(課税価格の計算方法)で計算した個別の課税価格を合計。
【2】上記【1】で計算した課税価格の合計額から遺産に係る基礎控除を控除(*4)して、課税遺産総額を計算。
【3】課税遺産総額に、法定相続分・代襲相続人が法定相続分・代襲相続分通りに取得したものと仮定して、法定相続分(*5)・代襲相続分を乗じる。
【4】上記【3】で計算した金額に一定の税率を乗じて仮の税額を計算し、これを合算したものが相続税の総額(*6)となります。
*4:遺産に係る基礎控除額とは、遺産に係る基礎控除額=3000万+600万×法定相続人の数
*5:法定相続人の中に養子がいる場合の法定相続人の数は、以下の通りとなります。
被相続人に実子がある場合→1人
被相続人に実子がない場合→2人
*6:相続税の総額を計算する際に、税率速算表を用いて計算します(相法16)
金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1000万円以下 | 10% | ‐ |
1000万円を超え3000万円以下 | 15% | 50万円 |
3000万円を超え5000万円以下 | 20% | 200万円 |
5000万円を超え1億円以下 | 30% | 700万円 |
1億円を超え2億円以下 | 40% | 1700万円 |
2億円を超え3億円以下 | 45% | 2700万円 |
3億円を超え6億円以下 | 50% | 4200万円 |
6億円超 | 55% | 7200万円 |
Ⅲ 納付税額の計算<税額調整項目をあてはめて計算>
各財産取得者毎の算出税額は、上記Ⅱ「相続税の総額の計算方法」で計算した相続税の総額を課税価格の合計額に対する各財産取得者毎の課税価格の割合に応じて配分する方法で計算されます。
按分割合 = 各人の課税価格/課税価格の合計額
各人の算出税額 = 相続税の総額×按分割合
このように計算した各相続人等の税額に調整を加える形で各人毎の納付税額を計算します。(控除については、以下Aからの順で控除します)
各人の算出税額+相続税額の2割加算(*7)-各税額控除 =各人毎の納付・還付額
*7:相続や遺贈によって財産を取得した人が、その被相続人の親、子(子が被相続人の死亡以前に死亡しているため、その子に代わって相続人となった孫等を含みます)、配偶者以外の人である場合には、その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算されます。 被相続人が孫を養子にしていた場合の、その養子となった孫についても相続税の2割加算は適用されることになっています。
控除種類(Aからの順) | 内容 |
---|---|
A贈与税額控除 | A贈与税額控除とは、贈与税と相続税の二重課税を避けるために設けられている税額控除です。被相続人から生前に贈与された財産のうち相続開始前3年以内のものがある場合には、その贈与分を相続税の課税価格に加算しますので、一旦贈与税が計算されたものにつき、今度は相続税が計算され、二重に課税されてしまいます。そこで、この二重課税を防止するために設けられた控除が贈与税額控除です。 |
B 配偶者の税額軽減 | B配偶者の税額軽減とは、被相続人の配偶者の取得する遺産が、次の金額のいずれか多い金額まで配偶者には相続税は課税されないという制度です。 ・1億6000万 ・配偶者の法定相続分 |
C 未成年者控除 | C未成年者控除とは、相続人が未成年の場合受けられる控除です。親が亡くなったとき、子が未成年である場合があります。その場合、一般的に子には収入がないので、成人するまでは親の相続財産で生活をするというのが一般的です。一定の条件(相続開始時に日本国内に住所がある、日本国内に住所を有していなくても日本国籍があり5年以内住所を有していた人、20歳未満である、法定相続人であること)を満たす未成年者について認められている控除です。 |
D 障害者控除 | D障害者控除とは、相続人が85歳未満の障害者の場合、被相続人死亡後の生活保障を考慮して認められている税額控除です。財産を取得した時に、日本国内に住所があること、法定相続人であること、障害者であることと3つの要件を全て満たすことが条件です。 |
E 相次相続控除 | 短い期間に相続が複数回続くことで、最初に相続税が課税された財産にすぐ、また、2回目の相続税が課税されることになり、相続税の負担が重くなります。そこで、短期間の相続に係る相続の負担を救済する措置として相次相続控除という税額控除が認められています。 |
F 外国税額控除 | 取得した財産の所在が国外であっても相続税の課税対象とすることとされています。したがって、国外にある財産について外国で日本の相続税に相当する税金が課せられると、日本の相続税と海外の税金との国際間の二重課税が生じてしまいます。そこで、これを防止するために設けられている控除です。 |
G 相続時精算課税分の贈与税額控除 | 相続時精算課税を選択した人は、贈与した人がお亡くなりになられた場合、相続時精算課税を選択した年分以後お亡くなりになるまでのその贈与した人からの贈与財産を相続税の課税価格に含め、その贈与財産にかかる贈与税額がある場合には、相続税額からその贈与税額を控除します。 |
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