2023年01月12日

簿記・会計関連

数値で把握できる経営指標

経営指標とは会社の経営状態を数字であらわした指標のことです。
融資の際の判断材料として使用されたり、自社を分析して経営課題や目標の設定に活用されています。
ウィズコロナ時代を生き抜く経営基盤を整える意味でも、経営者の方にはぜひ身に付けていただきたい知識です。
今回は代表的な項目を3つご紹介します。 

Ⅰ 自己資本比率

自己資本比率とは、会社の総資本(貸借対照表の負債および資本の部の合計)に占める自己資本の割合をいい、
企業体質の健全性と不況抵抗力の強さ(財務的安全性)を示す指標の一つです。会社の規模や業種によって異なりますが、
一般的に20~30%であれば良いとされ、50%を超えていることが理想とされています。自己資本比率の計算方法は以下の通りです。

自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資本(他人資本 + 自己資本) × 100%

Ⅱ 損益分岐点比率

損益分岐点比率とは、実際の売上高に対して損益分岐点売上高がどの程度の割合になっているのかをみる財務分析の収益性の指標となります。損益分岐点売上高とは、損益がちょうどゼロになる売上高をいい、以下の計算式で求められます。

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率

1.固定費

  売上高に関係なく常に一定にかかる費用 (例)人件費、家賃料

2.限界利益率

  売上高から変動費を差し引いた利益金額。売上高に対する限界利益の比率をいいます。

  変動費とは、生産量・販売量に比例して増減する費用 (例)仕入高、外注費

実際の売上高が損益分岐点売上高からどれくらい乖離しているのか、以下の計算式で判断することが可能です。 

損益分岐点比率 = 損益分岐点売上高 ÷ 売上高 × 100 

Ⅲ 労働分配率

労働分配率とは、付加価値に占める人件費の割合で財務分析における生産性を表す指標のことをいい、労働分配率が
どのような状況かによって問題点が把握でき、給与を決定するうえでも用いられています。
付加価値とは、会社が生産や労働によって新たに生み出した価値を指します。付加価値額を計算するときには、売上高や
生産高から外部から購入したもともとの価値(原価)にあたるものを差し引いていく方法(控除法)と、外部から購入
した原価を除き、それ以外の費用や利益を拾って足し込んでいく方法(加算法)があります。

労働分配率が高い会社は、従業員の満足度は高く、利益に対して人件過多の側面もあり、労働分配率が低い会社は、
利益の対して給与水準が低い可能性がある一方で、経営に余裕がある状態ともいえます。
労働分配率の適正水準は、会社の規模や業種によって異なりますが、一般的に50~60%とされています。
同じ業界の水準や自社の過去の実績を基に、自社なりの適正水準を把握することをおすすめします。

労働分配率 = 人件費 ÷ 付加価値 × 100

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