2025年12月24日

税務・会計用語集

ロボット課税

1.はじめに

「ロボット課税」(又は「AI・ロボット課税 等」、以下「ロボット課税」)という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

「ロボット課税」自体は、税法や労働法で明確に定義されたものではありません。

生成AI等の急速な進化等により、関心が高まっている分野です。

例えば、ロボットやAIによる自動化の促進が、「短期的には失業者が増え,給与に関する税収

(社会保障負担に関する歳入を含む)が大幅に減少することを問題視する」向きもあります。

「ロボット課税」の考え方(「だれが納税するか」、「何に課税するか」、「何を対象金額とするか」等)はいくつかありますが、

今回はその中で「ロボット帰属給与税」に関してごくごく簡単に記載致します。

2.ロボット帰属給与税

これは、納税義務者はAIやロボットの所有者や使用者となることが想定され、

AIやロボットの仕事に対して、同じ仕事を人間が行った場合に支払われる給与相当額を

仮想的な給与(帰属給与)とみなして、個人所得税や社会保険料を課すというものです。

人間に対して支払う給与を節約できる分、別途「AIやロボット」に課税し代替する、といったところでしょうか。

ある意味では、「AIやロボット」を「人間」とみなしている、とも考えられます。

もし、そうなったら…

下記「3.近未来の課税(空想)」は、「AIやロボット」にも所得税や社会保険料が課される、

空想の世の中の「読み物」とお考え下さい。

3.近未来の課税(空想)

(20XX年11月 あるファミリーレストランにて)

(登場人?物)

  ①店長:人間

  ②タマ:ネコ型配膳ロボットのパート社員

  ③ミケ:ネコ型配膳ロボットの正社員

  ④店長用チョットGPT:店長用の対話型AI


(1)会話1

②タマ:「店長、11月マデノ給与デ〇万円ノ壁マデアト少シデス。コノママデハ配偶者ノ扶養カラ外レテシマイマス。

    12月ノ勤務ヲ減ラシテイタダケマセンカ?」

①店長:「繁忙期に困りましたね。2025年に103万円の壁が見直されましたが根本的な解決にはなりませんでしたね。

    では、正社員のミケさんに相談してみます」


(2)会話2

①店長:「ミケさん、パート社員のタマさんが〇万円の壁の関係で、12月の勤務を減らして欲しいみたいです。

    12月も残業をお願い出来ますか?」

③ミケ:「店長、何ヲ言ッテルンデスカ!『36協定』ノ関係デ12月ハホトンド残業ガ出来ナイッテ、

    先日話ヲシタバカリジャナイデスカ」

①店長:「えーっ、そうだったっけ?」


(3)会話3

店長、困ったときのAI頼み。店舗備え付けの「店長用チョットGPT」に相談です。

①店長:「Hey、チョッピー。タマさんとミケさんの年間給与と残業時間に注意して、

④店長用チョットGPT:「・・・」

①店長:「Hey、チョッピー、チョッピー!」

すると、店長用端末が本部からメッセージを受信。

「アナタノ店舗ノ”チョッピー”ハ、前回マデノ店長ヘノ回答デ、今年ノ給与ガ父親ノ社会保険ノ扶養範囲ギリギリトナリマシタ。

ゴ相談ハ、店長用端末ノ『(店長用)よくあるご質問』ヲゴ活用下サイ」

①店長:「チョッピー、若いと思っていたが、父親の扶養に入っていたとは。

    結局今年の12月も、残業のつかない管理職の私が働くしかないのか。トホホ…」

4.むすびにかえて

「人間」と「AIやロボット」。いろいろな面で共存できる社会になると良いですね。

空想でない話については、下記の参考文献をご参照下さい。

参考文献

鎌倉治子「AI・ロボットへの課税をめぐる議論」国立国会図書館879号

https://dl.ndl.go.jp/view/prepareDownload?itemId=info:ndljp/pid/13380287

渡辺徹也「生成AIと課税 ―ロボット課税からAI利用へ―」財務省

https://www.mof.go.jp/pri/publication/financial_review/fr_list8/r157/r157_2.pdf

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