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2022年07月21日
信託
信託とは
Ⅰ 信託とは、委託者が自己の財産を受託者に対して受益者のために運用、管理を任せる制度です。
信託を活用した相続対策などにより最近注目されています。
Ⅱ 信託の分類
1.商事信託
商事信託とは、貸付信託、リートなどの証券化のための信託、信託銀行が扱う土地等の運用信託です。
2.民事信託
民事信託とは、銀行が受託者となる商事信託等以外の信託で、
受託者は個人でも法人でも誰でもなれます。
平成19年9月から施行された新しい信託法に基づく制度です。
家族信託は、この民事信託に該当します。
遺言や成年後見制度を補完する制度としても注目を集めています。
3.民事信託活用のメリット
(1)成年後見制度の補完
委託者の判断能力が喪失しても信託設定時の委託者の意思に基づいて受託者によって信託財産の管理、処分が可能
(2)遺言
遺言の場合は、一世代までの承継先しか指定できませんが、信託の場合は、何世代にもわたって柔軟に承継先を指定することが可能
(3)不動産の管理処分の統一
不動産に信託を設定することで、将来発生する相続において不動産の所有権共有化を防ぐ
(4)倒産隔離機能
信託財産は、委託者固有の財産とは隔離されますので委託者の差押さえ等のリスクを無くすことが可能
4.民事信託のデメリット
(1)民事信託は受託者の選択で揉めることが多い
(2)信託財産から生じた不動産所得の損失は、損益通算及び繰越控除ができない
(3)身上監護や遺産分割はできない