2022年09月20日

スタッフブログ

親の認知症

母は83歳で今年、グループホームに入所しました。

それは2019年7月に父が亡くなったことから始まりました。

脚がひどく浮腫んで歩くのが辛いということで5月に検査入院をした父は、すでに肝臓がんのステージ4で、せいぜい持って3か月と診断されました。

それから3か月を待たずに父は逝ってしまいました。

父との最後の夜、昏睡状態の父の病室に家族が集められたときに、母が常識を外れた発言をしたことにとても驚き、私と私の息子が制したのを覚えています。

それが始まりでした。

ある日、母は自宅で転んで大腿骨を骨折しました。

総合病院に入院、手術を受けその後、リハビリ施設、老健施設に移動し、戻ってきてからは、地域のケアマネージャーさんにいろいろとお世話になり、要介護2判定され、その中でできるサービスを受ける生活になりました。

そんな中、母のおかしな発言はどんどん増えていきました。 ただの物忘れ、程度だと思っていたのに、どうしてこんなに大切なことを覚えていないんだろう、ということも忘れてしまっていて、認知症を疑ってはいなかったので「言った」「言わない」でよく母とけんかになったりもしました。

それが「もしかして」、と思うようになったのは身近なものをどこかに仕舞い込んでわからなくなることがとても増えてきたことからです。

エアコンのリモコンがなくなる。

電話の子機がなくなる。

つめきりの場所がわからなくなる。新しいものを買っていってもまたなくなる。

箸やスプーンがなくなる。

その段階でケアマネージャーさんと相談をしてガスを使えないようにしました。

そして新聞屋さんや牛乳配達の営業が来ると契約をしてしまう。

その契約のことを覚えていない。

ということが出てきたときに、これは栄養面や健康面だけではなく防犯の面からも自宅にいることは限界だな、と感じました。

普通の話は問題なくできるし、自分の名前や生年月日、住所や祖父祖母の名前、父の名前もしっかりと書けるのに、ある時ある記憶がスポッと抜けてしまう。

それを少しでも進行が緩やかになるように、あるクリニックの「ものわすれ科」というのを見つけて受診させました。

何か月か通う中で、母はようやくグループホームに空きができ入所しました。

今では生活も何とか馴染んでやっているようです。

認知症は少しづつ、少しづつ始まっていくのはわかっていました。

ただ、母にそれが起こることはなかなか想定できませんでしたし、認めるには勇気がいることでした。

もちろん母本人も同じだと思います。

でも、どこにでも起こりうることで、目を逸らせないことだと感じました。

もしそうなったときのことをできるだけ早くからみんなで考え、必要であれば治療を受けることも大切です。 なかなか本人に言いにくい事ですが、「ものわすれ」の段階からフォローしていくことが安心につながるのだと思います。

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