2025年09月22日
スタッフブログ
秋の匂い
先週から少し涼しくなりました。ようやく秋が来たなと思います。
ところで、皆さんは特定の匂いに「秋」を感じることはありますか?私は「金木犀」の花のかおりを嗅いだ時と、木や藁を焼くような「焦げ臭いにおい」を感じた時に「秋の匂い」だなと思います。たぶん、その「焦げ臭いにおい」は、幼い時に住んでいた田舎で嗅いだ野焼きや藁を焼く匂いだと思います。
さて、ここで問題です。今、私にとっての2つの「秋の匂い」を紹介しましたが、この2つの匂いに対する表現が違ったのに気づきましたか?「金木犀」の時はかおりを嗅いだ時という事実でしたが、「焦げ臭いにおい」の時は感じるという感覚でした。「焦げ臭いにおい」は感じただけで、実際はそんな匂いはしていないということです。私自身は「匂いがする」と思ったわけですが、生活圏に野焼きや藁焼きをするような場所はなく、簡単にはできないように法規制されているようなので、私が感じている「焦げ臭いにおい」は実際はしてないんだろうと思います。
実際に匂いがしないということはその「匂い」は。脳の錯覚です。特定の匂いを嗅ぐと、その匂いと結びついた過去の記憶や感情が鮮明によみがえることを「プルースト効果」というそうです。逆に、視覚や肌で感じる情報が匂いと結びつき、脳がその匂いを錯覚的に作り出すこともあるそうです。私が幼い時に住んでいた家は畑と田んぼに囲まれていて、秋には農家の人が稲刈り後の藁を焼いたり、野焼きをしていたので、秋と「焦げ臭いにおい」が結びついたのだと思います。実際には匂いを嗅いで秋だと思ったのではなく、まず感覚で秋を感じ、それが匂いの錯覚を作り出し、そのあとでようやく頭で秋だなと理解したのではないかと思います。
昨日、私が「秋の匂いがする」と独り言をいった時に、隣で娘も「するよね」と言っていましたが、「焦げ臭いにおい」ではないそうです。匂いの記憶はごく個人的なもので共有できないようです。皆さんの「秋の匂い」はなんですか。