2024年06月17日
スタッフブログ
テルマエ展
今日は、先日汐留のパナソニック美術館で見てきたテルマエ展のお話をしようと思います。
テルマエと聞いて「テルマエ・ロマエ」というヤマザキマリさんの漫画や映画を思い出された方もいらっしゃると思いますが、テルマエとは、あの作品にも描かれていた古代ローマの公衆浴場を意味します。
古代ローマでは勢力が拡大するにつれ特権階級と庶民の貧富の差が大きくなったため、膨らんだ大衆の不満を解消する政策の一つとして、誰もが安く利用できる豪華な大浴場テルマエを建設したそうです。今回は、遺跡から発掘された美術品や彫刻、そして最新技術の映像、模型などが展示されており、当時の様子を詳しく知ることができました。大浴場では庶民が美術品を間近に見ることが出来るようになっていただけではなくて、運動場や図書館、サウナまで併設されており、その構造や技術力の高さ、緻密さには目を見張るものがあって、とても2,000年の前の事とは思えませんでした。
実は、以前何かで「古代エジプトなどで王族のみに許されていた快適な生活が、現代では一般に広く享受できるようになったわけだけれど、裏を返せば人間が出来る事のレベル自体はあまり変わっていない」という趣旨の事を聞いて以来、人類は言うほど進歩していないのではないか?と常々思っていたのですが、今回その思いを強くすると共に、公衆浴場に限って言えばむしろ退化というか完全に負けていると感じました。この話題はこの後、一緒に行った友人と、これだけシステムが便利になったのに、相変わらず仕事に追われるのは何故か、という話にまで発展して大いに盛り上がりました。
少し話がそれてしまいましたが、このテルマエの遺跡は今でもイタリアに残っているようなので、いつか見に行きたいと思っています。久しぶりに日常を忘れて心豊かな時間を過ごす事が出来たので、コロナ禍のせいで少し足が遠のいていた美術館にもまた時折足を運びたいと思いました。