2025年06月02日
スタッフブログ
ひとり老後と「死後事務委任契約」
現在日本の高齢者(65歳以上)で一人暮らしの方は、およそ671万人と言われています。
未婚、離婚、死別、子供が別居など、理由は様々でしょうが、この数字は今後益々増えていくと思われます。
3年ほど前のことですが、一人暮らしだった70代の友人が、ある日突然、自宅で亡くなりました。
彼女はご主人に先立たれており、S県内某所にそのご主人の眠るお墓があるのですが、彼女のご遺体を引き取る親族がいなかった為に、結局、自治体により火葬され、無縁仏として合祀墓に埋葬されました。
とても仲の良いご夫婦だったことを、惚気話としてさんざん聞かされていた友人の一人としては、その同じお墓に入れてあげられなかったことが、何とも悔しくやりきれない思いだけが残りました。
では、どうすればよかったのでしょうか?
本人が元気なうちに、任意で「成年後見人」を選び、公正証書で自分の老後や死後のこと一切合切を具体的に契約して依頼しておけば、一番確実で安心ですが、当然、後見人への報酬も毎月発生しますので、よほど財産の多い方でなければ、そこまで準備しようと思う人は多くはないでしょう。
もう少し手軽に、最低限必要なこととして、「死後事務委任契約」だけしておくという方法もあります。自分の希望する葬儀の方法を決めておき、火葬・埋葬の手続き、役所への届け出、公共料金やクレジットカードの解約、デジタル遺品の整理やペットの行先の手配等々を委任することができます。但し、相続に関することは委任できません。
依頼相手は弁護士などの法律の専門家や、民間の高齢者サービス事業者でも引き受けるところがありますし、特に資格が必要なわけでもないので、親しい友人でも構いません。契約には法的に決まった体裁等はありませんが、やはり公正証書にしておいたほうが安心でしょう。お困りのこと、ご不安なことがありましたら、お気軽に弊社担当者へもご相談ください。
ちなみに「成年後見人」は、現在、約2割が親族、4割が弁護士、3割が司法書士、残りの1割の中には社会福祉士や税理士、社労士などが含まれます。
※イラストは一般社団法人 社労士成年後見センターのマスコットキャラクターのライサちゃんです。