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最近、特に印象に残った小説を2冊ご紹介します。


1冊目は東野圭吾の『手紙』。主人公の兄は、主人公の学費の為に強盗殺人事件を起こしてしまい、服役しています。ひたすら弟を思い続けて、刑務所から手紙を出し続ける兄と、自分の為に罪を犯した兄を、疎ましく思いながらも、責められない弟。主人公は、強盗殺人犯の弟ということで、アルバイト、趣味のバンド活動、恋愛、就職もうまくいかず、やっと結婚すれば、今度は幼い子供までもママ友たちから差別を受ける事態に、、、。  

もう一冊は丸山正樹の『デフ・ヴォイス』。主人公は、法廷手話通訳士。実は、耳が聴こえない両親と兄のいる家庭に生まれた「聴こえる子」でした。家族の中で一人だけ聴こえる為に、幼い頃から家族と周囲との通訳のような役目を果たしながら、自分にだけ聴こえてしまう周囲の心ない陰口に抵抗したり、両親が聴こえない兄の方を可愛がっていることに傷ついたり、、、。
どちらも、いわば社会のマイノリティに焦点を当てた、重く切ないテーマですが、読後感は決して悪くありません。  


読書は視野を広げてくれますね。
h.kamata

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