代表税理士ブログ

収益認識基準11|代表税理士のブログ。「出来ない」と言わない税理士法人へようこそ

今回は収益認識基準の全体のまとめとして、注意点を挙げます。

ステップ1 契約の識別

・口頭契約の場合、契約の正確な把握やトラブル防止のために、必要に応じて文書化が必要です。

全ての契約を文書化する、や一部契約のみ文書化するのであれば、どのような契約の際は文書契約とするのか、社内ルールの整備が必要です。

ステップ2 履行義務の識別

・収益拡大の一環で商品販売とコンサル、保守契約をセットにしている場合もあり、正確な把握が必要です。

この場合、履行義務を区分するのか、区分する場合、どのように区分するのかの検討が必要です。

商品販売とサービス提供が一連の取引の場合は区分が必要になります。

ステップ3 取引価格の算定

・リベート、返品、ポイント制がある場合、取引価格の算定ルールの整備が必要です。

ポイント制は実質、事後値引きになってくると思います。

ステップ4 取引価格の配分

・ステップ2で履行義務を区分する場合、取引価格の区分が必要になります。

・ステップ2から4にかけての検討の結果、履行義務区分による売上区分の変更があると売上予算の変更が必要になります。また、商品販売と保守等のサービス部門の責任者が異なる場合は予算の責任者の見直しも必要になります。

ステップ5 履行義務充足により収益を認識

・ステップ2で履行義務を区分し、時間の経過や業務の進行に応じて収益認識が必要な取引は、それぞれの物差しで収益を計上します。

・収益認識基準に沿って収益取引が変更になると、業績評価の見直しが必要になります。例えば、売上高で賞与の査定をしていた場合、リベート等の扱いをどうするのか等、必要に応じて査定ルールの変更が求められます。

 

収益認識基準は色々なところに影響があり、事務手続きも煩雑になります。

但し、中小企業は以前と同様の取り扱いも認められますので、ご安心ください。

次回に続きます。